……捕まった“女”を思い出す。
それはあたしの隣のクラスの女の子だった。
純粋に、あたしを好きでいてくれたそう。
ただ性別が同じだっただけ。
同性ゆえ伝えることが出来なくて、そのもどかしさからこんな行動に走ってしまった…と。
純粋に、ただただ純粋に、あたしを手に入れたかったんだ…って、なぜかその気持ちが痛いほど強く分かって、泣きそうになった。
そして、
あたしを好いてくれていたのは喜ばしいけれど、少し表し方を間違っていると思う
…そう伝えたあたしの前で彼女は泣いていた。
謝りながら涙を流していた。
その雫は、とても綺麗に見えた。
「……崎…」
「………」
「妃崎…!」
「…………ぁ……」
「大丈夫、か?」
ふと瞼を開けると、あたしの顔を心配そうに覗き込む光梨の姿があった。
ゆっくり首を回して見てみれば、見慣れた白いカーテンが見える。
あたしの、部屋?


