結局。
無理矢理乗せられたあたしは、出口の辺りで通行の邪魔をしている。
つまりは出口前で座り込んでいる。
うえ、気持ち悪…
くらくらする頭のまま光梨を睨みつける。
光梨は、気まずそうに首の後ろを掻いていた。
「ごめん、マジでダメなんだな…」
そーだよ、だから拒否ったんじゃん。
「…う゛ん」
おまけに叫びすぎたせいで喉もガラガラ。
とっくの昔に口の中の水分は消え去っていた。
「よいしょっと…」
「きゃっ!何するのよ!」
光梨がオッサンみたいな声を出したかと思えば、いきなりあたしをお姫様抱っこした。
ジタバタ暴れるあたしを余所に、光梨は素知らぬ顔で、あたしをどこかに連れていこうとしているようだ。
「暴れたらヒモパン見えるよ」
「変態!!」
スッゴい恥ずかしいんですけど!
周りからの好奇の目が痛い。
中にはヒュー!…なんて冷やかす声もあって。
あたしきっと今、顔真っ赤だ…
頬に手を当てると、びっくりするぐらい熱くて思わず離した。


