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「着いたよ?」
光梨の声に俯いていた顔を上げると、近くの遊園地のゲートだった。
さすが平日。
いつもは親子連れやカップルで溢れかえる遊園地も、今はガラガラ。
明らかにサボりの高校生や大学生がちらほら見えるくらい。
あたし達もサボりになるだろうけど。
「行くぞ!」
子供みたいな笑顔で走っていく光梨に引っ張られて、前に転びそうになりながら走る。
そんな走らなくてもたいして並んでないじゃん!!
そんな言葉も無邪気な笑顔を見ると、喉の奥に溶けていった。
「これ乗ろ!」
「えー…イヤぁ…」
光梨の指した指の延長線上にあるのは、…あたしがピーマンより嫌いな絶叫マシーン。
要するに世界一嫌い。
「無理無理無理無理…」
「良いじゃん!俺がずっと手握っててやるから」
むしろ今すぐ手を離していただきたい!
そして全力でコイツから逃げ出したい!!
「いやぁあぁああぁあぁあぁああっ!!!!!」
「いぇーーーーーーーーーーーいっ!!!!!」


