ゆっくり帰ってきてまた隣に並ぶ。
自然に、それが当たり前かのように、指を絡ませてきた。
あたしも何も言わずに恋人繋ぎを続ける。
…この手を伝ってあたしの緊張が伝わらないように願って。
「でも、昨日のピンクのレースも俺は好きだよ?ちょっと色気が足りないけどね」
「はあ…っ!?」
「あーんな堂々と干してあったら嫌でも見ちゃうでしょー!」
こいつ……、まじありえない…
引き攣った笑顔で光梨を見ると、満面の悩殺スマイルが返ってきた。
「可愛かったよ?」
このどこかあどけなさの残る、でも色気の溢れでてる笑顔を見たら、許しちゃいそうになる。
慌てて首を振って、その考えを振り払った。
隣を歩く、どこか嬉しそうな光梨に話しかける。
「どこ行くの?」
「遊園地」
遊園地…ねぇ。
あたしは連れていってもらったことないなあ…
昔はいつも一人で、幸せそうな周りの子達が羨ましかった。
…もう何とも思わないけど。


