「……うん」
そっと。大きな手に自分のそれを重ねた。
光梨の温もりが伝わってきて、すごく安心する。
「よしっ!行くぞー!」
手を引かれて保健室を出た。
…乱れたベッドに痕跡を残したまま。
二つの足音が閑散とした校舎に響き渡る。
水を打ったような静寂が、二人だけを包んでくれているようで、気持ちが良かった。
靴を履きかえ、校門まで全力疾走。
走ってるからか、誰かに見つからないか心配だからか、心臓がバクバクと高鳴る。
それとも、別の何かか。
学校が小さくなったところで速度を緩めた。
「は…ぁ…、…はっ…」
「息上がるの早くね?」
「うるっ…、さぃ…なあ」
いちいちつっこんでくる光梨を横目で睨みつける。
心臓が…、…苦しい……
息が出来ないくらい、ドキドキ波打つ心臓。
……特に。繋がれた左手を見ると。


