少し落ち着いてきて、首をくるりと回すと、ここは保健室なようだ。
真っ白な壁に、真っ白なベッド。
あたしの右手はしっかり光梨の左手と繋がってい…て……!?
「わ…っ!」
「え?…ああ、妃崎が辛そうだったから」
そう言ってニコッと微笑む光梨。
だからって…女慣れ、し過ぎてません?
笑い返すことが出来ずに、曖昧な表情で彼を盗み見る。
でも、その表情は余裕に満ち溢れてて、綺麗で。
……一人だけドキドキしてバカみたい。
タラシのくせに。
誰にでも優しくしてるくせに。
どうせ“皆の”王子様なんでしょ。
あたしの額の汗を、濡れタオルで拭いてくれている光梨を見ながら悪態をつく。
黒い渦が少し大きくなった気がした。
「…ありがと。先生は?」
「職員会議だよ」
「そっか…」
その時、光梨がにやりと口角を上げた。
ニヒルな笑顔も様になるのが余計憎たらしい。


