――バンッ
玄関のドアを閉めた時に黒い人影が見えた気がするが、怖くて確かめられなかった。
「はっ…はぁ……」
全力疾走したため、息がまともに出来ずに苦しい。
乱れた呼吸のまま玄関に倒れ込んだ。
あまりの物音に驚いたのか、リビングから光梨が走って来る。
「どうしたっ!?」
良かったぁ……
光梨の顔を見て、安心して涙が零れそうになる。
それから静かに首を横に振る。
喋れないからなんだけど。
光梨に迷惑かけられないし。
ストーカー、光梨のこと何か怒ってたみたいだから危ないもんね。
「言えよ!」
「な…でも……っは」
光梨があたしの体を支えながら心配してくれる。
背中に回された右手があったかくて、抱き抱えられてるみたいで、すごく安心する。
光梨に、包まれてるみたい。
少し…、少しくらい頼っても…良いかな……?
「…ストーカーに」
「ストーカー!?」
光梨が耳元で大きな声を出すものだから、耳がキーン…と鳴った。
そんなに驚くこと?


