夜道を歩き出すものの、街灯が少なく足元が見えずらい。
頼りに出来るのはただ一つ。
月明かりだけ。
不安に駆られながらも、ただただ前だけを見つめて足を進める。
ふと今日のここあの言葉を思い出した。
『亜莉沙…、気をつけてね』
『?…うん』
ここあ、気付いてたの?
でもあたしが不安にならないように黙っててくれたの?
――カツカツ…
――ザッザッ…
――カツカツカツ…
――ザッザッザッ…
絶対誰かに付けられてる…
恐い恐い恐い……
振り返る勇気が出なくて、ひたすら速歩きをする。
でも、速めれば速めるほど、後ろの足音も速まってくる。
どうしよう…どうしよう……
あたしこのまま刺されたりするのかな…
それとも犯されたりするのかな…
漠然とした焦りを胸に、家へ全力疾走した。
後ろの足音はあたしの荒い息で読めないけど、ただ前に足を進める。
暖かい我が家へ――…
きっとアイツが笑ってくれる――…


