「何もないよ」
「あの楓君が…」
あの…、って……
思わず苦笑いを零す。
「あたしに色気がないからだよ」
「そぅねぇ…」
あ…、やっぱそこ否定しないんだね…
自分で言っておきながらいちいち凹んでいると、いきなり腕を引かれて立ち上がらされた。
「なっ…何?」
「今からお互いプレゼントしあおう!コスメでも靴でも服でも何でも!
ただし5000円以内ね!1時間後にあの噴水の前に集合!!」
そう言ってここあは目の前にある噴水をビシッと指差し、止める間もなく風のように走り去ってしまった。
「いきなり何なの…?」
残されたあたしはしばらくその場で固まったまま。
そして、周りからの好奇の視線に晒されている。
しかもここあ、お金払ってないし…
今日何度目かのため息をつきながら、代金を渡して、仕方なくのろのろと歩き出した。


