「これ可愛い〜!」
「それここあに似合うよ、絶対」
「ありがとぉ〜」
ここあは上機嫌で服を持って、スキップしながら試着室に向かう。
彼女が持ってるのは、桃色のふわふわレーススカート。
あたし、絶対あんなの着れないな。
半ば感心しながら後ろ姿を見ていると、トントンと肩を叩かれた。
振り返ると
「はい?」
若い女性のショップ店員。
「お客様可愛らしいので、これなんかどうでしょう?」
差し出されたのは
……ロリータ?
「いや、そういう趣味ないんで」
「でも似合うと思いますよ〜」
無理矢理押し付けようとする店員を避けて、ふと思った。
あの店員がコスプレ好きの変態だとしたら……、ストーカーを男だと決め付けるのはまだ早い?
あたしもスカート……、挑戦してみようかな。
あたしはほとんどスカートをはかない。
大抵ショートパンツで乗り切る。
……え、でもなんかキモくない?
はいてみたいけど…、あたし、着こなせる自信ないし…
深緑のミニスカ片手に葛藤していると
「お…、良いじゃん」
後ろから聞き慣れた声が聞こえた。
多分聞き間違えではないはず。
半月近く一緒に生活してきたのだから。
「何で居るのよ、光梨?」


