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「なぁ、亜里沙」


「ん?」


「…愛してる」


そう言って、彼の大きな温かい手があたしの冷たい手を包み込む。





あたし達がもう一度惹かれあえたのが運命だとするのなら


あたし達を繋ぐ赤い糸はあるのだろうか。




見つけた赤い糸は手繰り寄せれば千切れるほど


頼りない、細い、ただの糸でしかない。




ならば、しっかりと。

ぎゅっと。

もう離れないように手を握ろう。



赤い糸なんてあたし達には必要ないんだと。








「あたしもだよ」




愛しい彼の手を

力強く握り返した。








☆fin☆