「ねぇ…楓」

「ん?」


まだ少し充血した大きな双眼があたしを映し出す。


詰めてもらった彼の隣り合わせに座ると、少し照れ臭くて視線を逸らしてしまった。


「何だよー!」

「へへ…」


どうしよう。

あたし、やっぱりアイツがすきみたいです。




「あたし達、もう一度、やり直せるかなぁ?」




「……俺はずっと亜里沙を想ってたよ」




「…あたしも」




夢みたい。


嬉しくて嬉しくて、嘘なんじゃないかって不安になってしまう。


視界が滲んでいって、目の前の大好きな笑顔も霞むから、ゴシゴシときつく擦った。


「…目、痛くなるよ」


そう言って優しく包み込んでくれる逞しい腕をいっそう愛しく思った。