「ねぇ、何で今日ここに来たの?」
一番聞きたかったことを聞くと、楓の顔が少し困ったように俯く。
あなたと出会えたのは、偶然か。必然か。
「なんか…さ、俺の腹違いの兄貴が居んだけどさ、そいつにいきなり今日ここに来い…って。
んでまぁヒマだったから来たんだけどさ」
その時バチッ…と目があってふいに逸らされたから、少し笑ってしまった。
それって……
「…颯?」
「ぇ……」
「やぁ!」
楓が答えるより早くあたしの右肩にズシッと何かが乗っかった。
え、重い……。
「な…に……」
「…久しぶりだね」
にっこりあたしの肩に頭を預けて笑う顔は、あたしの目の前で目を見開く顔と瓜二つで。
「颯……何で?」
「んー…亜里沙に会いたくなったから?」
あたしはただ驚くことしか出来なかった。


