何で。どうして。
こんな取り返しのつかない過ちを犯してしまったんだろう。
ただ、君を守りたかっただけ。
ただ、君に笑ってほしかっただけ。
それだけだったのに。
逆に君を傷つけて、己も傷つけて。
「俺、何してんだろ…」
「そーだよ、何黙ってんの」
「え?」
那智に小突かれてふと周りを見回すと、すでに俺の自己紹介の番だったらしい。
「…ぁ、ワリィ。どっか飛んでた」
「やだぁ!楓ちゃん可愛い〜」
楓ちゃんだと!!?
そう呼んだヤツを見ると……うん、確かに可愛いが自分が可愛いことを分かってるような、……そんな奴。
小首を傾げて上目遣い。
うわ、ムリ。俺には効かねぇし。
亜里沙だったら頬杖つきながら、無意識で覗き込んでくるんだよな。
あひる口にして俺を見つめてきても、全く何も感じない俺はちょっとおかしいのかな。
亜里沙に依存し過ぎなのかも。
だって、亜里沙だったらキスするときだけそうなるんだよなー。
何でわざわざストローでちょっとずつジュース飲んでんだ。
亜里沙だったら、少しストロー噛みながらきゅー…って…………
・・・・・。
何やってんだろ、ホント。


