三度の約束は
叶えられなくて、頭でっかちな、ただの口約束だった。
だけど約束した時は本当に自分が君を幸せに出来るって……過信してたんだ。
君を心から愛していたから。
一度目は、まだ小学校に入学したばかりの頃。
誓いの鐘の下で、誓ったよね。
父親のように強くなるから、そうしたら亜里沙を迎えに行くから…、待ってて……って。
君が笑ってうん!…って頷いてくれた時の嬉しさは一生忘れない。
二度目は、同居してた頃。
誰かがついていないと今にも壊れそうな君に言ったんだっけ。
あの時はまだ、ただ純粋に俺が傍に居ないと…って心配だったんだろうな。
俺が傍に居る…って、強く言い切ったのに守りきれなかった自分が悔しくて堪らない。
三度目は、再会した時。
もう離さない…って力強く君を抱きしめたのに、俺の腕の中には確かに君が居たのに。
繋いだ手を離したのは、紛れも無い
……俺自身だ。


