「ねぇ亜里沙ちゃん、それマジ?」

「…大マジだけど」


あたしがコクン…と頷くと目の前で盛大なため息を吐かれる。

え…何よ…。


「まさか今頃動き出すとはね…」


え、何、話の急展開に着いていけてないんですけど。


しかも……




「……………何このメンツ」




ここに居るのは…


ここあ、那智君、勇躍君、千夏、そして…あたしの五人。


喫茶店で仲良くお茶してるかと思いきや、初対めーん★みたいな。


「あ…そういやそうね。ま、いいわ」


おい、ここあ。

ちょーっと大雑把過ぎやしねーか……?




なぜこんなことになったかと言うと、


あたしがコソッと千夏に言っただけなはずが

勇躍君がバイト先にたまたま迎えに来てくれてた那智君にチクり

また那智君がここあに報告してしまったという


残念な状況だったりする。




「じゃあこれからは僕が亜里沙ちゃんの護衛すれば良いんでしょ?」

「那智さん、何言ってんすか。“俺”がするんですよ」


あぁ?…なんてくだらないやり取りを繰り返す男衆を放置し、女子だけで話しはじめる。




「でもそれって…おかしくない?」

「うん、だって亜里沙は光梨楓を盗られたうえ、殺されそうになったんでしょ」

「…だよね」


ポツリとあたしが呟いた時、まさにその瞬間だった。




――…カランカラン










ことの始まりを示す鐘が店内に鳴り響く。