「でも…、本当は違ったんです。俺が一方的に好きだっただけなんです」

「あたしと同じ…」


あたしの呟きに優しい微笑みを返すと、彼はまた遠くを見つめたまま話し始めた。


「俺…違う大学だし、知らなくて。……彼女、手に入れるためなら何でもして、ターゲットが落ちるのをゲームみたいにしてたんです」


ひどい…。

いくら美人な方だからって…。


その時、ふと疑問が頭を掠める。

「何でもして…って?」

「……周りにいる女の子に酷いことをするんです。俺の幼なじみもそのせいで左腕を折りました」

「……ぇ…」


骨折…したの?




彼は小さく失笑したあと、あたしにケータイの画面を見せてきた。

「これ、元カノです。美人でしょ?裏切られたって分かってるのにまだ…消せないんですよ、俺」

「……」




何も言えなかった。




だって、その人は………――