痛い。痛い。痛い。
足が鉛のように重くて、
身体が痺れるように麻痺して、
胸が張り裂けそうで。
細くて長い針が数えきれないほど
胸に刺さったかのように。
自分じゃ抜けないぐらい深く刺さっている針たちは、時間の経過とともにまた一本…心をえぐり続ける。
気付けば空には月が上り、道を歩く人が減って来ている。
どれだけ走ったのか、
どれくらい経ったのか、
そんなことも分からないくらい無我夢中で走りつづけた。
ただ前だけを向き、決して振り向かず。
止まると、言いようのない不安と恐怖の波が押し寄せてくる気がして。
――ドン…っ
「…ったぁ〜」
「…す…すみません」
あたしが全速力で走っていたせいで前から走ってきた人と正面衝突。
慌てて謝るも相手の人が起き上がる気配はない。
「だっ大丈夫…ですか?」
足挫いたりしてたらどうしよう…。
「……あは…は…大丈……ぶ……」
「……何で…」


