「おはよう」
「あっ…颯」
「何。そのあーあ、来ちゃった…みたいな顔」
「違っ…ただ」
……カッコ良すぎて。
「ただ?」
「別に。さっ、行こっか!」
…ちょっとトキめいた、なんて言えるか。あたしはウブか。
「そっ。行きたいところがあるんだけど」
「…うん」
□■□■□
「ここ」
「…ここ?」
「おいしそうでしょ?」
颯に連れて来てもらったのは、いつか楓と来たスイーツバイキング会場だった。
いつもそうなんだ。
颯が連れて来てくれる場所は楓とデートしたことのある場所。
胸がきゅう…っと悲痛な音を立てて軋んだ。
「…かわいいね」
あたし、ちゃんと笑えてる?


