「用件は!?」
『明日…デートしよ?』
「はっ?」
こんなふうに突然誘われるのは珍しいことじゃない。
なのに“デート”という単語に過剰に反応してしまった心臓がドクッ…と音を立てて跳ねた。
『何照れんの〜』
「照れてない!」
『俺のかっこよさに惚れちゃった〜?』
…軽いところも、ちょっぴりナルシストなところも
『大丈夫大丈夫。心配しなくても明日はぶっ倒れるほどのことはしないから♪…亜里沙が望むような』
…意地悪なところも、エロいところも
「何でそんな似てるの……」
『え?』
「いや、何も」
……会いたいよ…楓……。
きっと那智君に頼めばすぐ会えるだろう。
でも、会えないよ…。
近くて遠い距離がもどかしい。
会いたい…。


