部屋中にけたたましいほどの音楽が鳴り響く。
何で着メロこんなのにしたんだっけ。
……ああ、アイツが好きだったんだ、このアーティスト。
ダルい体を起こして電話に出る。
「…もしもし?」
「あっ!繋がった!」
せっかくの休日に何だってんだ。
この元気ハツラツとした感じ、間違いなく千夏だろう。
「あのねあのね…っ」
「合コン?」
「うんっ!!」
「……行く」
楓と別れてから千夏たちはあたしを気遣ってかよくパーティーなるものを開いてくれていた。
今までは行く気なんて無かったんだけど、皆の気遣いを無駄にしたくなくて行くようにしている。
皆と騒いだら少しだけ前の自分に戻れる気がするから。
面と向かっては言えないけど、……ありがとう。


