「…っ…ふっ……ぅう…」
真っ暗な部屋で一人。涙を零した。
大好きだった…
大好きだった…
楓を心から愛してたよ。
あたしはあなたが全てだった。
居なくなったら立てないの。
笑えないの。
怒れないの。
泣けないの。
人としての感情を無くしてしまう。
「…っ…ぅぅ…」
胸が、痛い。
ううん、痛いどころじゃない。
えぐり取られたように、ぽっかりと心に穴が空いた。
だからもう、何も感じないの。
この穴が心全体に広がったら……あたし、どうなるんだろう。
感情を持たなくなるのだろうか。
彼と会う前に戻るのだろうか。
…あたしは人形みたいな人間に変わっていくのだろう。


