「亜莉沙亜莉沙亜莉沙亜莉沙ぁ…っ!!!」
「どしたの、エリ」
血相を変えてあたしに突っ走ってくるエリ。
いつもながら騒がしい。
「今!ケータイに来たんだけど、これ」
「………何よ、これ」
彼女のピンクのスマホの画面に映し出されたのは紛れも無く、あたしの彼氏と
…美人な女の人。
二人は…キスしていた。
これが〝真実〟だった。
噂じゃなく〝現実〟だった。
何よりの証拠で、この事実をあたしは受け入れざるを得なかった。
「…大学内で結構出回ってるみたい……」
「…っ」
泣くな。
これくらい、どうってことない。
裏切られるのなんて…慣れっこだったはずなのに。
「ごめん…っ、あたし帰るね」
「亜莉沙…っ!!」
鞄を肩にかけ、エリに背を向けた。
引き止められる前にあたしの足は動き出す。泣き顔なんて…見られたくない。


