「ねぇ、亜莉沙」
「どうしたの?」
千夏が珍しく神妙な顔付きで、サキとエリを引き連れてやってきた。
「今日…暇?」
「ぷ。まーた合コン?」
怖い顔してたから大変なことがあったのかと思ったじゃない。
「違うのよ!」
「…千夏?」
「とにかく今日は緊急女子会だから」
「もう場所はとってあるの」
強引なエリと、しっかり者のサキ。
いつもはふざけている三人も今日は微塵も笑みを浮かべていなかった。
本能的に聞いてはならない気がする。
窓は閉まっているはずの講義室に強い風が吹き、高校時代に比べて伸びた長い髪をさらった。