「亜莉沙」
あたしが感動して窓に張り付いていると、名前を呼ばれた。
「何?」
彼の方を向くと、さっきまで向かい側に居たはずなのに顔の前に綺麗な顔のどアップが。
「亜莉沙」
強い瞳に捕らえられたら、もうあたしは
「楓」
逃 げ ら れ な い 。
熱い唇からは溢れるほどの愛が伝わってきて、あたしもきっと伝えているはずで。
あたし達、もう一度出会えたのが運命だとしたら…
そう誓い合った今日があったのに
まさかもう一度
運命が逃げ出すなんて、そんなこと幸せなあたし達は考えもしなかったんだ…――。
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