「遊園地だー!」
楓が連れてきてくれたのは他県からも人がたくさん来るほど人気のテーマパーク。
それもあって、やっぱりというべきか人の山、山、山。
人が多過ぎて入口には長蛇の列が。
でも、こんなに人が居ても息苦しくならないのはきっと隣に楓が居るから。
楓はあたしの森なんだ。
繋がれた手をきゅっと握ると強く握り返してくれた。
「ジェットコースター乗ろうぜ!」
「いーやー!!」
前にもこんなことがあった気がする。
あの時はあの町の小さな遊園地だったね。
「やぁぁあぁあぁぁああぁっ!!!」
強風があたしの隣を音をたてて過ぎ去っていく。
服がはためいて後ろになびく度に、自分も吹き飛ばされそうになる。
「死ぬぅー!!」
「安全バー下がってんじゃん!」
下がってても怖いもんは怖いのー!!
振り落とされないようにバーをしっかり握っておく。
隣であたしを見てケタケタ笑う声なんかもう怒る余裕もない。
ましてや、触れ合う肩にドキドキしている余裕も。


