「はぁ…はぁ…」
「大丈夫か?」
この荒い息遣いで大丈夫じゃないことくらい分かるでしょ!
しばらく黙ってると優しく背中をさすってくれたので、少し落ち着いた。
「ここ…どこ?」
「ん?…野原?」
あたし達の周りは見渡す限りの大草原…とまではいかないが、一面緑の絨毯と化している。
「よしっ!帰んぞ」
「帰り道分かるの?」
「俺の心の方位磁針で」
「……」
くさいなー…
この人自分で何言ったか分かってるのかな。
前をずんずん突き進む彼の後ろを辿りながら、小さくため息をついたのだった。
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