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「はよーっす」
あたしが台所で朝食を作っていると、扉が開いた音がした後に光梨の声が聞こえた。
何となく気まずくて、視線を合わせずに軽く挨拶を返した。
だって人前であんなに泣いたのなんて初めてで、ちょっと恥ずかしい。
「何だよ、冷てーな?」
「だって…。……っ」
横を向いた瞬間、焼いていたウインナーがパチッという音を立てて弾けて。
その油が手の甲に落ちた。
一瞬にして手を引っ込める。
「大丈夫か…っ!?」
駆け寄ってきた光梨があたしの手をすぐさま水で冷やした。
「……う、うん」
腫れてねーな…とガン見して確認している。
き、き緊張するんですけど……
こんなの初めてで、どうすれば良いのか分からない。
顔が、熱い…
そんなに大事にしなくても、腫れるわけないのに…
「きゃぁ…っ」
思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。
だって。光梨がいきなりあたしの手を嘗め出したから。
しばらくあたしが固まっていると、舌を離しニコッと笑う。
「ん、消毒終わり!!」
軽いよ…
何人をこの悩殺スマイルで落としてきたんだろう。
これから、心臓持つかなあ…


