……光が、…眩しい…?
……朝?
あたしさっきまで、お兄ちゃんと………
「ゅ…、夢……?」
慌てて飛び起きたあたしの背中はぐっしょりと湿っている。
目覚めるとあたしは自分のベッドの上に居た。
窓からは白いカーテンを透かして眩しい朝日が差し込んでいる。
昔のことを思い出すなんて…
本当ツイてない。
忘れたはずなのに、たまに夢に見る“あの”光景。
真っ赤な真っ赤な液体が大切な人からとめどなく流れ出る光景。
二度と思い出したくない、二年前の記憶。
思い出して頭を急激な頭痛が襲う。
「嫌な夢、見たなー…」
苦痛に顔を歪めながらも白い瓶の薬を口に含む。
枕元にあった銀の目覚まし時計を見るとちょうど7時を示している。
起きる時間だ。
頭痛薬を無理矢理飲み込んで、のそのそと起き上がる。
そのまま薬を飲みこむ時に感じる喉の違和感にはもう慣れた。