あたしが何より欲しくて、何より望んでいたものは……泣いても手に入らなかったのに。
彼の愛。
絶対じゃないって分かってた。
すぐに無くなる口約束だってことも。
あたしの隣にもう彼は居ない。
彼はあたしから離れてしまった。
あたし…光梨に何も出来てないなぁ。
いつも与えられてばかりで、助けられてばかりで。何も返せていなかった。
いつか……過去になる日が来たら良いな。
涙で滲む瞳に映るのは
窓から見える、素早く入れ代わる景色。
でも、どれも知ってる景色で、どれもキラキラと輝いていた。
さよなら、この町。
さよなら、みんな。
さよなら、あたしの初恋。


