ベッドに入って目をつぶる。


でも、一向に眠れそうに無い。




起きてたら彼を思い出して涙が止まらなかったから今日は早く寝ようと思ったのに。


明日は学校休もうかな…





















「寝れない…」




今で276匹目の羊を数えているというのに、目を閉じれば思い浮かぶのは彼ばかり。




変態で、バカで、タラシで、どうしようもなく弱かったりするのに……肝心な時に助けてくれるヒーローみたいな奴。


もうあたしの傍に居ない奴。




「……ッ…す…き……ぃ…」




ぽつりと漏れた言葉はそのまま夜の闇に吸い込まれて行く。


彼を想って流す涙は




……とてつもなく苦かった。





















「嘘つき……」




この世界は嘘の塊だ。