お兄ちゃんはドクドクと血を流してるのに“生きて”いた。
“死んで”るのに笑っていた。
あたしは“生きて”いるのに、あの日から“死んだ”ままだ。
生きるって何…?
死ぬって何…?
あの日からあたしは泣いていない。
どんなに悔しくても、悲しくても、泣かなかった。
…泣けなかったんだ。
泣いたら、お兄ちゃんが“死んだ”ことを認めるようで。
だって、お兄ちゃん笑ってたじゃん。
大丈夫だよ…って、泣くなよ…って、血まみれの手であたしの頬を撫でたじゃん。
まだお兄ちゃんは“生きて”るって、あたしの傍に居るんだって、
…信じたかったんだ。
それがただの、思い込みだとしても。


