「す、き…?」
「…ぅん。光梨が…大好きだよぉ…っ…」
「妃崎…」
光梨は泣くあたしを温かい胸から引きはがした。
彼のあたしを呼ぶ声は、愛おしいものではなく、困ったような声色で。
あたしの瞳に映るのは、困惑と驚きが入り混じったような複雑な表情を隠すことなく、表している彼の顔。
これが…彼の答え。
「俺は…」
「光梨。
あたしを……抱いて。
同情で良いの。愛なんか要らないから。他の子のように…抱いて。
あたしも星の一つになりたい」
あんなにイヤだった。
他の子と同じなことが。
でも、光梨に抱いてほしい。
プライドや見栄なんか捨てて、ただ彼の目にあたしだけが映っていたい。
「妃崎…!何言ってんだよ!そんなこと、出来るわけ…ねぇだろ。
お前はプライドが高くて、凛としてて、いつだって強かったじゃねーか!お前はもう、俺なんか居なくても…」
「弱いよ。あたしは光梨が居ないと何も出来ない」
「そんなことない。もっと自分を大切にしてくれよ。そんなの…お前が嫌な思いをするだけで…」
「それでも、良いの」
それでも、あんたが好きなんだよ。


