「普通の親子みたいになるには時間がかかるかもしれない。一筋縄じゃいかないと思う。それでも、私は亜莉沙…あなたと居たいの。
あなたに謝って、あなたともう一度ちゃんと話し合って…仲良くしていきたい」
綺麗事。
そう言えば簡単なこと。
でも、あたしから湧き出て来るのは
怒りでも、罵倒する言葉でもなく
透明な雫――。
あたしでも…綺麗な涙を流せることを今日知った。
こんな言葉たちは嘘かもしれない。
人間は嘘をつく。
嘘をついて生きていく。
ついていけば、また
殴られるかもしれない
蹴られるかもしれない。
それでも……信じたい。
そう思うあたしはバカだろうか。
地球は嘘で出来ている。
信じた奴は負ける。
騙した奴が勝ち組。
そうやって世間は出来ている。
…そう思ってた。
殻にこもって、勝ち組ぶってる前の自分より、
人を愛し、信じることを知った今の自分の方が、
よっぽどカッコイイと思うあたしは間違っているのだろうか。


