「お兄ちゃんがそれにある時気付いちゃって、……あたしなんか見捨てたら良かったのに!
なのに!!
男につかみ掛かったりするから!!」
自分が壊れてくみたいで。
これ以上言ったらいけないのに。
言ったらもっと、もっともっと壊れちゃうのに、止まれない。
「だから、…だから、
死んじゃったんだよぉ…?
…アイツが、持ってたナイフで、お兄ちゃんを……、…
その男は警察に連れていかれたけど…、お兄ちゃんは…お兄ちゃんは…………、…っ……」
……もう、帰ってこない。
お兄ちゃんの身体から出てくる真っ赤な血が、今も頭から離れなくて。
鮮明に思い浮かぶあのシーン。
思い出して体が震え出す。
急激な悪寒が背中を襲い、ソファから崩れ落ちた。


