「亜莉沙のためよ」
「……―――ッ!!!!!」
ふざけんな…
ふざけんな…
ふざけんなよっ!!
「あたしがあんたのせいでどれだけ苦しんだか分かってんの!?
少なくともあんたは息子を殺したんだよ!?
あたしから、大好きなお兄ちゃんを奪ったんだよ!?
今さら…っ……親みたいなこと…言ってんじゃ…ねぇよ…ッ…」
堪えていた涙が重力に伴って下に落ちていく。
「ごめん…」
「………」
「本当ごめん…」
「…謝って済むことじゃねぇよ」
母親があたしに謝るのなんて初めてのことだった。
頑固で、意地っ張りで、
自分は間違ってない…と言い切る人だったから。


