…沈黙の時間が流れる。


でも、それは気まずさではなく、心地好い静寂。






最初に口火を切ったのは光梨だった。



「ごめん」

「何で光梨が謝るの…ッ!」


あたしが言い終わる前に抱きしめられた。


いつものような…優しい触れ方じゃなくて、存在を確かめるように強く。




「ごめん、ごめんな…」

「………」

「俺のせいでごめん。…こんなことになってごめん…」


「…助けてくれて、ありがとう」


思い詰める光梨にかける言葉はこれしか思いつかなくて。

それでも光梨が笑ってくれたから、それで良かったのかな。




光梨はいつだって

あたしのヒーローだよ。




いつもあたしを真っ暗な闇から救い出してくれる。


叫べば何時だって助けに来てくれる。




場所も分からないのに。

汗水垂らして本気で捜しだしてくれる。


ほら、今だって。






あたしのために、


本気で泣いて


本気で怒ってくれるのは


光梨…


あんただけだよ。