「そりゃ悲しいかもしれないけど。…当てつけは、あんまりよろしくないよね」
「………」
「復讐なんかしても、何にもならないと思うよ?」
「……っせぇ…」
「え?」
龍が下を向いたまま何かボソッと音を発したが、あたしの耳には届かなかった。
「うっせぇんだよ!お前にどんな関係がある!?」
「あたしは…ただ…」
顔を上げた龍の目には微かに燃える怒りの色が映っている。
その瞳に捕らえられた時、全身に電流のようにビリビリとした恐怖が走った。
背中を寒気が襲う。
「その減らない口塞いでやろうか?ぁあ゛!?」
「何言っ……んっ!?」
あたしの言葉が言い終わる前に、口に生温かい気持ち悪いものが触れた。
それは……紛れも無く、彼の唇で。
気持ち悪い……!!!
今まではこんなの普通だった。
こんなの余裕で堪えられたのに。
あたしは、…アイツの柔らかなものを知ってしまったから。


