それとも…
コイツ等が気づいてないうちに逃げだそうかな。
……としたんだけど。
体はしっかりと柱にロープで縛られていて、身動きが取れない。
「…んっ」
力入れたら声出ちゃったー!!!
ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい……
気づかれたよね!!!??
「あ?今すっげー可愛い声出しただろ、お前」
「は?コイツだろ」
「イヤちげーよ。龍か?」
「…んなわけねーだろ」
……気付かれて…ない…?
内心ホッとしていると
「…ってことは」
「ひぃっ…!!」
四人が一斉にこっちを向いたため、カエルを押し潰したような声をあげてしまった。
どどどど…どうしよー!!
「おはよう」
「…ぉ…おはようございます」
さっき仲間に龍と呼ばれていた男が、怖いほどの笑顔でこっちに近づいて来る。
「な…何で?」
「何が?」
「誘拐…、したの?」
あたしは最初から思っていた疑問を龍に投げかけた。
何か気に障ることでもした?
殺される?やられる?
はたまた、人違い?


