〜ここあside〜
「亜莉沙…っ!!!」
慌てて黒い車を追いかけるも、50M走11秒代のあたしに追いつけるはずもなく、
車は角を曲がりあっという間に視界から消えた。
「どうしよう…っ」
小さく漏れた不安は過ぎていくバイクに掻き消された。
助けを求められる人で思い浮かんだのはあの人ただ一人。
早く行かなきゃ!!
居るかは分からないけど、走って家に向かう。
息が乱れる。
でも足は止まらない。
目的地に向かって走りつづけた。
胸が苦しい。
このままどうにかなりそう。
亜莉沙…
お願いだから無事で居て……


