「あー!見えてきた!」
「オシャレー♪」
オシャレな外装のパスタ専門店が見えてきた頃。
――キキーッ…!
耳障りな音を発しながら、あたし達の隣に真っ黒な車が止まった。
立派な外車がテカテカと光沢を惜しみ無く見せ付けている。
立ち止まり、目を凝らして中を見るも、人が出てくる気配は一切ない。
特に気にもせず、また歩きだそうとした。
「きゃぁっ!?」
「亜莉沙…!?」
その瞬間。
車から伸びてきた手に腕を捕まれる。
そのまま真っ黒な車に引きずり込まれた。
振りほどこうとしても、強い力で押さえ付けられて、身動きが取れない。
何これ、怖い怖い怖い。
恐怖で震える肩に大きな男の手がのしかかる。
「……、…」
叫ぼうとすると、口に何かを押し付けられた。
意識が遠退いていく――…
睡眠薬でも染み込ませてあったのだろう。
最後に見たのは同年代の男の子数人だった。
誰………?


