「いや…」

「は?」

「別に好きなわけじゃないんですけど」


は?

何言ってんだよ…




「どういうことだよ?」


「や、別に何とも思ってないんですけど頑張ったな…みたいな」


何…コイツ、何コイツ!!

ふざけるなよ――ッ!!!!!




「それを同情ってんだよ!!!!!」

「そんなわけじゃ…ぅぐっ…」


俺は気付けば光梨の左頬に右ストレートをかましていた。




「ふざけんなよ!!亜莉沙は…っ、亜莉沙はなぁっ……」


その時声が、泣き声が聞こえた…気がした。




まさか…、……嘘だろ。


「………っ!!?」


振り返った俺と目が合った彼女は走って逃げて行く。




「…待てよっ」


そのあとを慌てて追いかける。


足がもつれてこけそうになりながらも、彼女の姿を見失わないように。