「こんなとこまで来て…何の用ですか」


「単刀直入に聞く。
君は亜莉沙のことをどう思ってる?」


俺の質問に少し目を見開いたあと、ぶつぶつと何やら呟いている。



「どうって…」

「もし、何とも思ってないのなら、思わせぶりな態度は今後取らないで欲しい」


俺のためにも、亜莉沙のためにも。




「思わせぶり?」

「キスしたり、抱きしめたり、他の子にしてるようなことを簡単にしないで欲しい」


その時光梨が眉間に皺を寄せる。




「何すか、それ」

「ん?」

「先輩に関係無いじゃないですか!!」


光梨がいきなり出した大声が閑散とした校舎に響いた。

思わず顔をしかめる。


正直そんなに怒るとは思わなかった。

何キレてんの?




「確かに光梨君の言う通りだけどさ、何怒ってんの?」


「俺は別に軽い気持ちなんかで妃崎に近づいてんじゃねぇ」


「じゃあ…それは




つまり、ホンキってことで良いのかな?」






だったら…しょうがないのかもしれない。


俺の長い片想いもそろそろ終わりに近付いてるのかもな。