〜蓮斗side〜
「な、に…言ってんの?」
亜莉沙が大きな瞳をさらに丸くさせて、俺を軽蔑するような冷たい視線を送って来る。
ごめん…
お前は俺に恋愛感情を抱いていないのは分かってるよ。
でも、俺は最初からそういう感情を持って、君に近づいたんだ。
『お兄ちゃん…お兄ちゃん…!ごめんね、ごめんね』
あの日、彼の葬式の日。
亜莉沙は泣いていた。
綺麗な顔が涙でぐしゃぐしゃになっても、それでも彼女は泣きつづけた。
笑顔にしたいと思った。
あの人形のごとく美しい顔の笑った顔を見てみたい。
亜莉沙のお兄ちゃん、葉月さんと俺の兄貴は親友だったんだ。