「…あ゛」
「ん?」
学校から少し離れたところ。
また昼休みのような光景が。
デジャヴ?
光梨が今度は確かB組のかわいこちゃんとキス中で。
胸がずきんずきん、と不規則に旋律を刻み出す。
息苦しさに襲われて、嫌な心音があたしの中の血を沸騰させていく。
嫌なのに…、見たくないのに…
目が、視線が、二人を捕えて離さない。
ぎゅっ、と強く抱きしめ合っていて、その強さの分あたしの心臓も締め付けられて、縮んだ気がした。
「…亜莉沙」
「何」
「何で?」
「は?」
何が。
たまに先輩はよくわからないことを言う。
特に今回は冗談ではなく、神妙な面持ちであたしの顔を覗き込んでいる。
「何で……
泣いてんの?」
「…――ッ!?」


