「亜莉沙」
「…んだよ」
「何で怒ってんの?」
そりゃ怒るだろ、普通。
ぷりぷりしながら校門に向かって歩くあたしの横をついて歩く先輩。
「亜莉沙は笑顔の方が可愛いよ☆」
「黙れバカ」
「先輩に向かってバカはないでしょー」
今は甘いセリフにも照れてる場合ではない。
「今日約束してなかったよね?しかも何で教室来るわけ?
デートとかさぁ…。セフレじゃん?あたし等」
あたしが一気にまくし立てると先輩は叱られた子犬のようにシュンとする。
「だって…デートしたかったから」
「はぁ…」
もうため息しか出ないよ…
「分かってるの?セフレだよ?」
前も思ったんだけど、こいつまさか……
いやいや、それはない、ありえない。
恋愛感情なんか有るはずがない。
欲求を満たすために抱いて、抱かれる。
そんな汚れた関係。
そこに恋やら愛やら存在しえない。


