「じゃあな」
「ぅん、ありがとう」
可愛らしく微笑むOLを家まで送り届けて帰路に着く。
いやーっ、俺ってば紳士ー!
今日だけの関係なのに家まで送ってやるとかー。
あの人…名前忘れたけど大学でもミスコン連覇してたらしいし、相当美人だったな。
まっ、妃崎よりは下だけど。
昔から男共がニヤニヤニヤニヤしてんのに気付かねーし、自覚ねーし、本当危ないヤツ。
誰かに守ってもらえばいいのに。
……あいつ、彼氏居んのかな。
そんなことをぼけーっと考えながら街頭を頼りに時計を確認する。
「げ……もう明日じゃん」
長針は12を過ぎている。
時計の針がやけに大きく聞こえて少しスピードを速めた。


