「兄貴……」 涙の流れる漆黒の瞳を夏夜くんは黙って見つめていた。 「俺の代わりに絢を頼む。兄貴としてじゃなく、夏夜としてな……」 「ああ……。夏海……俺、お前と兄弟でよかった。絢ちゃんに出会えたのはお前のおかげだよ」 夏夜くんの優しい瞳からも涙が溢れていた。 「絢」