満月の夜の君に





夏夜くんと話し続け、どれだけ時間が経っただろうか。





「……っ」



何も言わずに手紙を読んでいた夏くんが声を出した。




それも、掠れた声。










「「え……?」」








夏くんを見た私たちは、その光景に目を疑った。




「夏くん……どうしたの?」






なんで……。







「お、おい、夏海? どうして泣いてんだよ……」









なんで、泣いているの?













なんで、そんなに悲しそうな顔をしているの……?













「絢……」