SWIMMING*SCHOOL


「遅い」


「かっ梶原コーチ!?」


「女子ってのはそんなに着替えに時間がかかるもんなんだなー」


いや、私を待ってたの!?なぜ!?


「あ、ちょっとのんびりしてて」


「のんびりって…女子更衣室の前で待ってる男の身にもなれ」


そこでコーチは私に背中を向けて歩き出した。
私もついて行く。


「待ってるなんて知らなくて…あ、なんで待ってたんですか?何かまだ私に用ありました?」


それを聞いて、私の前を歩いていたコーチが振り返った。


「え、送るし」


すごく当たり前な感じで、「こんな外暗いのに女の子一人で返すわけないだろ」なんて急に女の子扱いされた。